老いるということ

御 言 葉

 生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように。

   詩編 90:12


 モーセは、奴隷として暮らしていたイスラエルの民をエジプトから連れ出し、40年荒れ野をさまよった後約束の地カナンに導きました。それは苦難の連続だったでしょうが、「モーセは死んだとき百二十歳であったが、目はかすまず、活力もうせてはいなかった」(申命記34:7)と記されています通り、元気でした。ですが、神は彼がその約束の地に入る前にこの世での生を終わらせました。その理由は分かりません。しかし、彼はその命令に従いました。神のみむねに従っている限り、彼はさまざまな困難を乗り越え、前進出来ました。力強く。それを信じていましたから、彼はこの世を去れとのみむねにも抗わずに従ったのです。地上での生を終えた後でも、神は彼を支え導き続けてくださると信じていたのです。彼は地上において、神のために、同胞(すなわち隣人)のために働きました。神から与えられた毎日を懸命に生き抜きました。私たちも、神のために、隣人のために、すなわち自分のためではなく他のために生きます。他のためにある自分の命ですから、自分が勝手にこの命を処分できないのです。そして、今という時間は神から与えられていると信じています。そのような生き方をしていくならば、長く生きて他のために生きることが出来るのは感謝ですし、何らかの理由で短くしか生きられなかったとしても、悔いは残らないのではないでしょうか。神に従っている限り、どのような生であっても、モーセと同じく神は祝福してくださっているのですから。

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