神の民の選び(アブラハム)

御 言 葉

 アブラムは、主の言葉に従って旅立った。ロトも共に行った。アブラムは、ハランを出発したとき七十五歳であった。        

     創世記 12:4


 アブラハムの父は今から約4000年前、カルデアのウル(現在のイラクのペルシャ湾側の方)において安定した暮らしを享受していた人でした。この地はエジプトと共に早くから大文明が起こり、月を崇拝している多神教の地でした。ですが、彼は心中にある促しを感じ、息子アブラハムを含む家族を連れてハランの地(イラクの北の端の方)に移ります。アブラハムも暫くここに留まり多くの財産も蓄えている身分になっていましたが、ただ一人の神の声を聞いて、それを信じカナン(現在のイスラエルあたり)に向かいます。家族と多くの使用人と財産である家畜と共にです。支えは神の言葉のみです。支えは信仰のみです。彼によって始められた神の救いの旅は2000年続き、イエス・キリストに至って完結します。
 アブラハムはけっして聖人君子ではありません。平凡な私たちとあまり変わりありません。ですが、神は彼を選び、神はどのような方であるか、神と人間の関係はどのようなものか、信仰による人の歩みはどのようなものかを示してくださったのです。

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