招き

御 言 葉

 主人は言った。「通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ。」

   ルカによる福音書 14:23


 天の使いが羊飼いたちにイエス様の御降誕を告げる時、「恐れるな」と言いました(ルカ2:10)。恐れるなと言うのですから、確かに恐れることがあるのです。そうなのです。人間はもうどうしようもないほど絶望的なものになっている。人間には罪が染みつき、自分の力だけでは自分を救えない、真の平和、真の豊かさは得られない。神の御子をこの世に送り出さなければならないほど、それほど人間は恐ろしい状況の下に生きている。だが、それほどの恐ろしさに押し潰されるな、いま神の御子がお生まれになった、この方の許に急げ、そう天の使いは告げているのです。ですが、この方はベツレヘムの家畜小屋で生まれ、ありきたりの大工を生業としていた方です。もし、この方がきらびやかな衣服をまとい、権力の頂点の座に着いているような人物ならば、人々は彼の招待を喜んで受けたことでしょう。しかし、私たちの救い主は神の御子でありながら貧しくなり、低くなり、私たちと同じ地平を歩き、下から支えてくださる方です。それでこそ、この私がどのように貧しく惨めな者であっても、下からしっかりと支えてくださいます。この方の招きの言葉に応えるのも拒絶するのも自由です。応えないからといって罰せられるわけではありません。だからといって、自分の弱さを知っている私たちは安閑としていられません。真に平和に豊かに暮らしたいと望んでいます。私たちは、あれこれの自分の都合を傍らに置いて、この方の許に急ぎます。御言葉をいただき、それを実行しようと努めます。

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