契約を守る

御 言 葉

 アブラハムは答えた。「わたしの子よ、焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる。」二人は一緒に歩いて行った。

   創世記 22:8


  アブラハムが99歳になった時、神様はあらためて彼と契約を結びます。以前彼が神様と契約を結んだ時は、神様だけが一方的にこの約束を守ると誓った契約の結び方だったのです(創世記15章)。ですが、今回は「あなたも、わたしの契約を守りなさい」と要求される結び方でした(同17:9)。そして、これまでアブラムと呼ばれていた彼が、アブラハムという名を神様から与えられました。ここで初めて、神様とアブラハムは「わたしとあなた」という二つの人格の間の契約に入ったのです。本来の契約の結び方をしたのです。いわば、これでやっとアブラハムが神様の前で一人前の扱いを受けたと言えるでしょう。それですのに、神様はこのアブラハムに、やっと誕生し、成長した長子イサクを犠牲としてささげなさいとおっしゃるのです。とんでもない要求ですが、彼はこれを受け入れます。しかし、実行寸前にイサクの代わりに雄羊が与えられて、父親は息子を殺さずに済みました。何故神様はこのようなことを要求なさったのか謎ですけれども、アブラハムがこの出来事を経てますます信仰を深め、異邦の地に寄流者として住みながらも、押しも押されぬ大人になったことは確かです。

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