御 言 葉
お前たちは、わたしが先祖に与えた地に住むようになる。お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる。
エゼキエル書 36:28
紀元前6世紀初頭、イスラエルの民を根本から揺るがす出来事が起こりました。バビロン捕囚です。彼らは異邦人の地に引き立てられて悲惨な暮らしを続け、将来の不安に怯えていましたが、彼らを何よりも絶望の淵に陥れたのは、「約束の地」から自分たちが追い出されたという思いでした。その昔、イスラエルの民は奴隷の暮しをしていたエジプトから神様の導きにより解放され、約束してくださった地に入ることが出来たのでした。それが今、再び異邦人の地において捕らわれの身です。
バビロンに共に連れて行かれた預言者エゼキエルは、いい加減な慰めの言葉などではなく、神様の厳しい言葉を伝えます。ともすれば偶像を礼拝しようとする民に神様は怒っておられるのです。バビロン捕囚は罪を犯し続ける民への神様の報いの業だと彼は容赦なく言葉を伝えます。
神様は民に怒りをお示しになります。しかしそれは、民を愛していればこそなのです。無関心ではいられないのです。救いの業において神様は御自身が主であることをお示しになりますが、怒りの業においてもそれをお示しになるのです。神様の御意思は常に「私にたち帰れ」なのです。