救いの約束 - 伝承の意義

御 言 葉

 主はわたしの力、わたしの歌、主はわたしの救いとなってくださった。この方こそわたしの神、わたしは彼をたたえる。わたしの父の神、わたしは彼をあがめる。

   出エジプト記15:2


 『出エジプト記』15章(15:1~18)に、モーセが歌ったとされている歌が載っています。イスラエルの民が葦の海を渡って、エジプトから脱出した時の喜びを歌ったものです。この歌を読んでいきますと不思議なことに気が付きます。パレスチナ周辺の諸民族が後ろに退いてイスラエルの民を通したとか、エルサレムの神殿としか思われない聖所が登場します。それらはエジプト脱出からずっと後の出来事なのです。明らかにこの歌の作者は、神殿建造の後の人で、その後の時期から過去をふり返って、あの葦の海の出来事は、この神殿の完成に至る出発点だったのかと歌っているのです。神は私たちをゴールに至るまでずっと導いてくださっていたのだと賛美しているのです。私たちの信仰は「いわしの頭も信心から」というような、無理に信じ込もうとするものではありません。神と人間の間に確かに事が起こって、その出来事の事実を通して神は救ってくださるのだと信じているのです。ですから、聖書に記されているさまざまな救いの出来事を信じ、信じた上で私たちの経験を重ね、ああ私たちも確かに神に導かれ続けているとの証しをしていくのです。そして、この証しを後の時代の人たちのために残します。そして後の時代の人たちも、過去の救いの歴史を信じ、私たちも救われると確信して前進していくのです。イエス様の出来事も伝えられている通り私たちは信じています。イエス様に確かに救われたという経験を私たちも証しとして後の時代のために伝えていくのです。

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