主を待ち望む

御 言 葉

 主はこう言われる。「ただ同然で売られたあなたたちは銀によらずに買い戻される」と。

      イザヤ書  52:3


 イスラエルの民の間には「買い戻しの権利」がありました。貧しくて自分自身を奴隷として他人に売らなければならない人たちがいました。また、同じ事情で自分の土地を売らざるを得ない人たちがいました。しかし、事情が好転すればこの人たちや土地は一族の者が買い戻すことが出来ました。最悪の場合、そのような一族がいなくても、ヨベルの年(7年ごとに土地を休ませる安息年が7度めぐってきた翌年、つまり50年目の年)にはすべて元に返されました。
 その根拠は、人も土地も所有権は神にあるからです。元来、人も土地も神のものなのです。ですから、人が人を所有することは出来ませんし、他人の土地を奪うことも出来ないのです。このことを神はイスラエルの民を選んでお示しになりました。そして、究極的には、世界のすべての人をご自分の僕(しもべ)として所有し、このことをお示しになりたいのです。世界のすべての人と土地とが神の所有になれば、何人もその権利を冒すことが出来ません。人々の間に差は全くなくなります。等しくわたしたちは神の僕です。この実現のために神は御子イエスをこの世にお遣わしになったのです。

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