御 言 葉
ユダヤ人とギリシア人の区別はなく、すべての人に同じ主がおられ、御自分を呼び求めるすべての人を豊かにお恵みになるからです。
ローマに信徒への手紙 10:12
イエス様は十字架にお付きになる前、弟子たちに、「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。」(ヨハネによる福音書 14:27)とおっしゃいました。
このことは、絶えず揺れ動く、危うい私たちの心の状態としての平安を、私たちが自分の力で懸命に守ろうとすることではなく、すでにそこにあるイエス様の堅固な平安の中に留まればいいということを意味しているのです。
イエス様は神の御子であると同時に、ごく当たり前の人でもありました。ですから、彼が十字架に至るまでの道行きは、まことに心に平安の無いものだったことでしょう。彼は、この地上でもっとも平安なき方として生き、また息を引き取られました。彼が歩まれた道の上には、私たちごく平凡な人間を怯えさせ、不安にさせるすべてのものが横たわっていたはずです。ですから、彼が弟子たちに、そしてまた私たちに残された彼の平安が、人の経験するすべての怯えや不安をくぐり抜けた平安であるからこそ、信じて結びついている私たちを、まるで堅固な城塞のように揺るぎない平安として守ってくれるのです。