中心を自分の外に持つ人間

御 言 葉

 どんなことがあっても、反対者たちに脅されてたじろぐことはないのだと。このことは、反対者たちに、彼ら自身の滅びとあなたがたの救いを示すものです。これは神によることです。

   フィリピの信徒への手紙 1:28


  自分の中の中心に自分を据えて生きている人たちは、幸福な生涯を送っているように見えます。自分の利益になるものしか勉強しない、自分の利益になる人たちとのみ交わる、わずらわしいものはすべて避ける。まことに効率のよい生き方ですし、この人たちは強力に自己主張しますから、社会において高い地位につき、権力や富を得る人たちも多いです。しかし、その内面はどうでしょう?自分以外何もないのですから、広がりも豊かさもありません。一度その自分が壊れるようなことがあれば、どうやって支えるのでしょう。一方、自分の中の中心にイエス・キリストを据えている私たちはどうでしょう?自分が嫌だと思うものでも、これもみ旨だからと信じて、受け入れ、乗り越えようと戦います。「恐れるな」との御言葉ですから、何事が起こりましても、たじろがず受け入れて戦います。すると、不思議に、乗り超えられるのです。人生に何事が起きようとも恐れなくてよい、生きている喜びが心の底から湧きあがってきます。いろいろなことをせざるを得ませんから、まことに効率の悪い生き方ですが、しかし、さまざまな経験を積んで、私たちの内面は豊かに広がり、成長しているのです。そして、何事が起きようとも、支えてくださるのは神様です。

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