招きを受けた人たち

御 言 葉

 何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。

   マタイによる福音書  6:33


 イエス様は、野に生えている花々や、空に飛んでいる鳥たちを美しく輝いているとたたえました。野の花は美しくても、用が済めば簡単に炉に投げ込まれます。鳥は楽しく空を飛んでいるようでも、気候の変動でもあればたちまち地に落ちて死んでしまうような弱い存在です。ですが、神様に造られた花であり鳥として満足し、与えられている今という時を精一杯に生きています。そこには神に造られたものとして、神にすべてをゆだねている信頼の姿があります。しかし、人間だけは、アダムとエバが善悪の知識の木の実を食べて以来、人間であることに満足せず、人間以上のものであろうとしてきました。その結果、将来についてあれこれ不必要に思い悩み、また過去についてはかつて犯した過ちに脅かされ続けています。それゆえに、今という確実に与えられた時を精一杯に生き切れていないところがあります。それは、将来や過去に引きずられて、今という時から逃げている姿でもありますし、人間であることに満足していないで、人間以上のものであろうとしてそのような有様になっているのですから、人間を造ってくださった神を信頼していないということでもあります。そのような人間に対して、イエス様は神を信頼しなさい、そして神から遣わされた私に従いなさいとおっしゃっているのです。そうしてこそ、私たちは神に支配されて神に従い、神の思いとこの私の思いとが一致して、神との関係が正しいものとされます。それこそ人間として満足して生きる姿勢であります。私たちの信仰の先達は実はこのような生き方をしてきた方々なのです。

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