自分の十字架を背負う

御 言 葉

 自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。

         ルカによる福音書 14:27


 イエス様は御自分の周りに集まって来た群衆に向かって、「自分の十字架を背負ってわたしについて来なさい」とおっしゃいました。当時、ローマ帝国が課すもっとも残酷な刑が十字架刑です。このような話を聴いて人々はぞっとしたことでしょう。自分の十字架を背負うとはさまざまに解釈できましょうが、十字架に付くくらいの覚悟で私について来なさいという意味もあるでしょう。十字架に付いて一度死んで、何もかも捨てるくらいの覚悟、家族も財産も、自分の命を養ういろいろな楽しみも捨てるくらいの覚悟で、すなわち自分にからみつく煩いを傍らに置いて、イエス様について行くことをまず第一にするのです。

  それならば、それくらいのことをするだけの価値がイエス様についていくことにあるとも言えるでしょう。そうなのです。福音書全体のメッセージは「恐れるな」とも言えるくらい、イエス様は度々人々に「恐れるな」とおっしゃいます。私たちが、迷いながらもそれでも彼に結びついているならば、恐れは数多くありながらも、(その最大のものは死でしょう)それでも私たちの心の根底は常に自由で解放されているのです。大胆に前に向かって歩き、このわたしへの神様のみむねを果たしていくことが出来るのです。そこに真の生きる喜びが湧いてきます。

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