福音はすべての人に

御 言 葉

 彼は、馬車に乗って預言者イザヤの書を朗読していた。すると、“霊”がフィリポに、「追いかけて、あの馬車と一緒に行け」と言った。

      使徒言行録 8:28b.~29 


 宦官(かんがん)とはまことに不自然な存在です。国王の家族に仕えるために去勢された男性のことです。去勢されていたら後宮の女性たちへの害はないだろうとの理由で、人間が人間の勝手な利益のために自然をゆがめて造り出した存在です。

 彼らのうち有能な人たちもいたでしょが、大概は偏見を持たれ差別されていました。エルサレムの神殿内でも、他のごく普通のユダヤ人との同席は禁じられていました。(申命記 23:1)

 もともと彼らは王や王妃のそば近くにいる者たちです。権謀術数をめぐらして、差別する者たちに対して巧みに復讐することもできました。あるいは、割り切って自分の利益の増大だけのために励むこともできました。しかし、本日登場する宦官は、聖書を選び取ったのです。御言葉の内に慰めを求めたのです。このような彼のために神様は使徒フィリポを遣わしてくださいました。

  今日、人間が勝手に造り出した偏見により苦しんでいる人たちがいまだにたくさんいます。しかし、神様は、求める者にはそれこそ無差別に救いの手を差し伸べてくださっているのです。

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