御 言 葉
「このわたしが飲もうとしている盃を飲むことができるか。」二人が、「できます」と言うと、イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしの盃を飲むことになる。」
マタイによる福音書 20：22～23
昔の人の前には神が立ち、神はこの私に恵みをくださるだろうか、もしかしたら厳しい審きではないのか、そのような不安を抱えながら暮らしていたかもしれません。しかし、神のいない現代では、人は何もないからっぽを前にして、何かしら不安を感じながら生きているのかもしれません。手を伸ばしても手を伸ばしても、確かに手ごたえがあるものに行き当たらないので、その苛立ちのはけ口になるような事、例えば、イベント、スポーツ、ゲーム等に異常なほど熱中し、あるいはインターネット等で果てしなく特定の人をいじめ続ける。そのような人に、それならば神を持つキリスト者は、今のこの世のなかで何の不安も抱かず、いきいきと暮らしているのですかと尋ねられると、この私などつい俯いてしまいます。私の中を覗き見てれば、死への怯え、虚無感、罪に陥るのではないかとの不安、そのようなものがいっぱいあります。しかし、この私が駄目人間でも、そのようなものに既に勝利なさっているイエス様が私の傍らを歩いておられます。私はこの方を信頼し、この方の手だけは放さないのです。そうしますと、不思議に前に向かって歩けます。自分が負わなければならない十字架は、どこまでも負っていこうとの勇気もわいてきます。
