労働の意義

御 言 葉

 神はアダムに向かって言われた。「お前は女の声に従い、取って食べるなと命じた木から食べた。お前のゆえに、土は呪われるものとなった。お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。」

    創世記 3:17                    


 まだ雨が降らず、地に木も草もない時、神様は地を耕させるために人間をお造りになりました(創世記 2:4~7)。人は労働のために造られたのです。神様の必要に仕えるためにではありません。人間の目的は労働にありますが、それは神様のためではありません。神様は本来人の助けを必要となさいません。労働は神様のためではなく、人のためにあるのです。
 しかし、人間が蛇の誘惑に負けて戒めを破って、エデンの園から追放されてから労働が辛いものとなりました。戒めを破った罰として、地が呪われたのです。それ以来、土はいばらとあざみを生じるようになり、労働を妨げるので、人は顔に汗を流して働かなければならなくなったのです(創世記3:14~19)。ですが、地は呪われても、人間は呪われていません。変わったのは地の質のみです。園を追放されてからも労働の質には変化がありませんでした。人間が造られた目的は労働のためですから、人間が人間になるための不可欠の要素は労働なのです。労働によって人間の本性が育てられるのです。労働とは人間が自己を実現するための機会です。園の中でも外でも、労働は神様が与えてくださった聖なるものです。ただし、いばらやあざみが妨害しますので、働くことは辛いのです。

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