信仰をはぐくむもの

御 言 葉

 ミリアムは彼らの音頭を取って歌った。「主に向かって歌え。主は大いなる威光を現し、馬と乗り手を海に投げ込まれた。」

      出エジプト記 15:21


 イスラエルの民のエジプト脱出体験ほど繰り返し語られた出来事は他にありません。この出来事が土台となって旧約聖書の中のイスラエルの民が誕生したとも言えるでしょう。イスラエルをイスラエルたらしめているのは、ヘブライ語でもヘブライ人の血でもなく、この脱出体験に働かれた神様です。確かに神様が私たちのために働かれたと繰り返し聖書の中でその出来事について語り、そしてその度に神様を賛美します。

 これは聖書の信仰の特性をよく反映しています。聖書の教える信仰は「いわしの頭も信心から」といわれるような信仰とは根本的に異なっています。そのような無理に思い込もうとするような信仰ではなくて、確かに実際に起きた出来事にもとづく信仰です。ですから、聖書の中で繰り返し出来事を語っては神様を賛美するのです。もちろん、見る目が与えられなければ、出来事に神様の働きを見ることは出来ません。それを見逃してしまうから、賛美に至ることもないのです。

  聖書の中の御言葉は出来事を伴わずに、ただ信じこめというのではありません。聖書が教える信仰は出来事にもとづく信仰です。聖書の中で記されている通り過去に神様は確かに人々を救われた。だから、いま苦しんでいる私たちもまた救われないはずがない。私たちはそう信じて希望を持って前に進むのです。

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