信仰と個性

御 言 葉

 イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。

   マタイによる福音書 16:15~16


  信仰生活を続けていくということは、自分の大切な個性を殺して、ひたすら主イエス・キリストに仕えることかと考えている人たちがいますが、その逆です。主イエス・キリストの前にこの私が立つということは、「あなた、わたし」の個人的な関係であり、この方が私に一番ふさわしい道を歩ませてくださるのです。他の人がどういう行動を取り、あるいは他の人がどういう批判をしようとも、この私は主に導かれて、勇気を出して自分に与えられた道を歩むのです。その歩みにはまことに私らしい個性が発揮されます。また、キリスト教はあくまで個人的な「あなた、わたし」の関係ならば、そこでは社会的な事柄に関係しなくてよいのかと疑問を持っている人たちがいますが、これも思い違いです。主イエス・キリストを愛し、この方の喜ぶことをしようと思うならば、その思いはおのずと周りの苦しんでいる隣人のために出来る限りのことをして差し上げるという行為につながるのです。主に対して真剣に個人的に向かい合って、ひたすら愛していくこと。これだけで、私たちは自分にふさわしく、この世の中において互いに助け合いながら生きていくことが出来るのです。

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