キリストの復活

御 言 葉

 墓の中に入ると、白い長い衣を着た若者が右手に座っているのが見えたので、婦人たちはひどく驚いた。若者は言った。

   マルコによる福音書  16:5~6    


 4つの福音書ともイエス様の復活については、あたかもさなぎの孵化でも観察するように、復活がどのようになされたかというようなことは一切語っていません。例えば本日の聖書の箇所のように、女たちがいきなり天使を通して、復活が起こっていること、さらに、それが彼女たち自身にとって何を意味しているかを聞かされるだけです。すなわち、私たち自身に対する上からの語りかけがあり、主の復活によっていまや私たちがどのような姿の人間になっているか、そのことについての解明の言葉が与えられるだけです。それをひたすら聞くことこそ、復活に面した私たち人間にとって決定的な事だと知らされるだけなのです。言葉を受け取るか受け取らないかは私たち自身の決断次第です。女たちは当初は怯えましたが、結局は受け入れました。そしてこの女たちですが、イエス様が十字架にお付きになったとき、何も出来ないで遠くから眺めていただけの人たちでした。自分には何事かがなせると思い込んでいるのではなく、自分には何も出来なかったから、遅まきながらせめてイエス様の御遺体に香油でも塗って差し上げたらと出かけてきた女たちに対して、最初に上からの語りかけがあったのです。

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