すべての人のために祈りなさい

御 言 葉

 願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のためにささげなさい。王たちやすべての高官のためにもささげなさい。

    テモテへの手紙 Ⅰ 2:1~2          


 上記のようなパウロの言葉に接しますと私たちは戸惑います。通常自分の信仰が深まりますように、家族が健康でありますように、教会に多くの人が集いますように、そのようなことを祈っていますから、安倍首相や霞が関のお役人、あるいは天皇家の人たちのために祈らなければならないのか、それって何かしら権力側にすり寄っていくようで抵抗を覚えます。ですが、パウロはそのようなことを勧めているのではないのです。私たちは好むと好まないとにかかわらず、今の日本という国に生きています。その中で生きながら、この世界の全人類を視野に入れて、憲法問題とか沖縄問題とか一つ一つの問題を真剣にとらえ、それがどのようにならないことが望ましいのか、どのようになることが望ましいの、それを本当に自分の問題とするのです。そして、権力側の人たちも含めて、私たちの行っていることには、欠点があり、間違いがあり、やりそこないがある、だめな点がある。にもかかわらず、それらの足りないところのあるものが、神の前で、本当に正しいものに結びつき、堕落したものとなってしまわないように、よりよいもの、より正しいものとなっていくように祈るのです。
とにかくその立場に立って、その身になって、そのために祈るのです。

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