小羊がシオンの山に立っている

御 言 葉

 また、わたしが見ていると、見よ、小羊がシオンの山に立っており、小羊と共に十四万四千人の者たちがいて、その額には小羊の名と、小羊の父の名とが記されていた。

   ヨハネの黙示録 14:1


 ローマ帝国の時代、初代教会の信徒たちはひどい迫害に遭いました。サタンの力が働き、信仰から離れさせ、教会を押し潰しているとしか思えませんでした。今日でもこのサタンの力が働き、私たちを信仰から離れさせようとしているとしか思えない時があります。さまざまな理由で教会から去って行く人たちを見ていますと、この私自身の信仰も揺らぐ時があります。神は本当にこの世界を支配しておられるのだろうか、そういう疑いに捉われる時もあります。しかし、『ヨハネの黙示録』の著者は語ります。サタンがいかに騒いでいるように見えていても、頭を上げよ、シオンの山に小羊が立っている。周りの世の中の現実がどうであれ、あるいは個人の信仰が揺らぐという現実がどうであれ、小羊がシオンの山に立っている、すなわち、新しい栄光のエルサレムにおけるイエス・キリストの勝利の事実を目を挙げて見よと語るのです。初代の教会以来、私たちの信仰の先輩たちが、さまざまなキリスト教に逆らう力の襲撃の中にあっても、彼らが顔を上げて仰いだのは、この事実以外のものではありませんでした。私たちも自分自身のどうしようもない不信仰の中から、不信実の中からこの事実へと繰り返し目を挙げるのです。このように私たちがこの事実に目を挙げるということこそが私たちの信仰というものに他ならないでしょう。

 説教概要一覧へ