御子の前に来られる方

御 言 葉

 ヨハネは、預言者イザヤの言葉を用いて言った。「わたしは荒れ野で叫ぶ声である。『主の道をまっすぐにせよ』と。」

       ヨハネによる福音書  1:23 


 バプテスマのヨハネは救い主イエス様の来られる前に登場して、イエス様の歩まれる道を整えたとされていますが、それは具体的にどのような事だったののでしょうか?
 当時、律法を守る者は神に祝福され、守れない者は呪われると信じられていましたから、社会は祝福される層とされない層にはっきりと二分されていました。律法を守りたくても生活の事情により守りきれない人たちにとって、自分の人生の行きつく先は地獄かと思い、その毎日の生活は暗闇の中を歩むようなものでした。そのような時、ヨハネが現れ、社会の誰も実は律法を守り切れていない、一人一人罪を自覚して洗礼を受け、神の方に心を向けよと説いて回ったのです。社会を二層に分けていた差別の壁を取り払ったのです。このことによって律法を守り切れていない人たちも、自分も救われるとの安堵を得ることが出来ました。そして、ヨハネはさらに、自分の後に必ず救い主が来られるとの希望を彼らに与えたのです。彼の役割は、人々に希望を与え、後に来られるイエス様を指し示すことでした。

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