創造者なる神

御 言 葉

 神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。

   創世記 1:3


 アメリカの神学者ティリヒが、神の存在について、それは、私たちが空気が存在するとか人間が存在するとか、そのようなもののように自分で感知できる、自分の知恵でつかまえることのできるものではないと言っています。神は私たちがつかまえることが出来るような小さなものではなく、私たちを超越したものです。私たち人間が神をとらえるのではなく、神が人間をとらえているのです。ですから、私たちが生きているという事実、この世界が存在しているという事実を成り立たせているのが神なのです。神は「存在」というよりも「存在の根拠」というのが正しいとティリヒは言っています。イスラエルの民は経験によってこのことを理解し、存在の根拠である神がこの世界を創造したと、科学的知識のあまりないという当時の限界ある表現ではありますが、彼らなりにその思いを表現したのです。特に、「神が言われると、直ちにその通りになった」との表現は、神の本質をとらえています。神が直接手を出さずに言葉で万物を創造するところに、神の超越性が示され(人間が考えられないようなことをなさる神です)、同時に言葉を発することによって、神が愛の意志をはっきり言い表されています。ここに神が本気で世界の動きにかかわっておられることが示されているのです。

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