御 言 葉
さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。 マタイによる福音書 2：16
ヘロデ王は、東方から来た占星術の学者たちから「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおられますか。」と尋ねられて、これでは自分の王位が脅かされると大いに恐れました。これまで彼は自分の地位を脅かす者はすべて殺してきました。妻、しゅうとめ、息子たち・・・・今回も幼児虐殺を仕出かしてしまいました。人の上に立つ身でありながら、彼の生涯は常に不安にとりつかれ、心に平安のないものでした。彼は力を原理として生きていました。当時の多くの人たちがそうでしたし、今日でもそうでしょう。そうして、もたらされるものは何でしょう。今日の世界の情勢を眺めれば一目瞭然です。
そのような世界にイエス様が誕生されたということはどういうことでしょうか。それは多くの人たちが歩いているヘロデの道とは別の道が、すなわち滅びに至る道とは別の道が、そこに初めて出現したということです。力の原理とは異なる原理が、そこに初めて示されたということなのです。布に包まれてかいば桶に寝かされている幼子イエス様は、多くの人たちが歩んでいる道に対しての力強い否定のしるしとして、そこに横たわっておられるのです。
